まあ当然の大相撲春場所中止。今日は報道番組をはしご。
海外でも報道が。
Sumo tournament cancelled amid match-fixing scandal
しかしtwitterで検索したりすると、「相撲ファン」は、残念だとか、伝統ある国技は守るべきとか、2-3場所中止すれば事態は沈静化するとか、体制を改革して出直しをとか言うのが多い。ブログhttp://yamabug.blogspot.com/2011/02/blog-post.htmlなんかがそう。
まあ発信するのはファンが多いから仕方ないけど、そういう認識は甘すぎる。
過去からずーっと八百長は指摘されてたんだけど、協会は「ない」といって、裁判までおこした。建前だとしても、公正な「スポーツ」と言い張ってきた。まあ公益法人だからしかたなかっただろうが。でもそれを前提に、NHKは中継してきたし、相撲人気もそこそこあった。スキャンダルはあっても、このまま続いていきそうな感じだった。しかし今回のことで、この「虚構の城」は崩壊してしまった。
今後、またもとのように大相撲を開くためには、過去を全否定して、ゼロから出発しないといけないでしょう。
サンデージャポンでテリー伊藤が、「相撲は誰もが大昔から八百長あるってわかってるけどおおやけの場所では暗黙のルールとして「無い」と言わなければいけないという流れを変えなければ意味が無い」と言ってた。やくみつるも同様のことを言ってたけど、実際そうなんだろう。
これから、次々と新たな証拠や証言が出てきて、ますます騒ぎは大きくなるでしょう。
過去の八百長も明らかになって、告発側が正しかったということになっていくでしょう。つうか、前から多くの人は八百長はあっただろうと思ってたみたいだけど。
次に、世論調査の結果が出て、関係者やファンは青ざめることになると思う。おそらく、8割以上の人が、公益法人認定取り消しを支持するだろうし、このままなら大相撲は解散してもやむをえないと言う人が半分近くになるんじゃないだろうか。一般の空気はそんなもんでしょう。相撲の伝統的価値を認識してる人は少ない。支持する人は熱くなってるけど、相撲にまったく興味ない人も多い。
私は、今回のニュースや一連の不祥事にも、「ああやっぱりか」と思うだけで、なんら驚きはなかった。むしろ、やくざとのつながりや、博打や、人情相撲も、「伝統」の一部をなしていたんじゃないかと思う。だから切り離すことができなかった。相撲の起源ともいわれる「神事」が行われる神社にしても、祭のとき境内に屋台が並ぶのを見ればわかるように、やくざ(任侠)との関係が昔からあったんだろう。
江戸時代の任侠は、今のように反社会的レッテルを貼られて排除されるようなものではなかったんだから、別に悪いことじゃないし、興行をするために任侠に取り仕切ってもらうのはむしろ当然だったろう。
でも、今は、時代が変わってしまった。博打も犯罪になってしまった。力士にスポーツマンシップやコンプライアンスまで求めるようになってしまった。
まあ、メールという証拠がでてしまったせいで、パンドラの箱をあけちゃったね。もう、暗黙の了解やらを一切許さない方向に世論が動いてるから、今回の落としどころはどうなるか見当もつかない。
スポーツとして続けるなら、協会は、伝統として継承してきたものも、その一部は切り捨てないといけなくなるだろう。
どうしても伝統を守りたいなら、テレ朝でスポーツジャーナリストの玉木が言ったように、今までの路線のまま、神事を行う団体として宗教法人として興行も続けるというのも、ひとつの解決策かも。でも、こう開き直られたら、NHKは中継できないだろう。テレビ中継がなければ、今のような人気はなくなって衰退していくこと間違いない。
日本には、まだまだ伝統を守って、建前は公正といいながら、談合馴れ合い出来レースを続けている団体がいくらでもあるわけで(相撲協会を監督している役所とか)、それが明るみに出てしまったら、世論に批判されて続けられなくなるというのは、今後も続く大きな流れなんだろうな。
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