2012年1月17日火曜日

2012センター試験の確率問題の簡単な解き方

2012センター試験の確率問題の簡単な解き方

受験から何年もたっているが、センター試験問題を解いている。なぜか最近毎年恒例になりつつある。(去年の結果


数学1Aの第4問、確率の問題。解きながら、これもっと簡単に解けるんじゃないのかなと感じた。一応普通にといて、改めて問題を見てみると、驚くほど簡単な解き方に気づいたので、ブログに書いてみる。


[問題](抜粋)

1から9までの数字が一つずつ書かれた9枚のカードから5枚のカードを同時に取り出す。
次のように得点を定める。
●取り出した5枚のカードの中に5と書かれたカードがない場合は,得点を0点とする。
●取り出した5枚のカードの中に5と書かれたカードがある場合,この5枚を書かれている数の小さい順に並べ,5と書かれたカードが小さい方からk番目にあるとき,得点をk点とする。

得点が0点となる確率は[ク]/[ケ]である。得点が1点となる確率は[コ]/[サシス]で,得点が2点となる確率は[セ]/[ソタ],得点が3点となる確率は[チ]/[ツ]である。
また,得点の期待値は[テ]/[ト]点である。

詳しい問題、回答、分析などは、新聞社や大手予備校のサイトを参照のこと。
http://mainichi.jp/life/edu/exam/center/graph/sugaku1A/index.html
http://dn.fine.ne.jp/dn/b/002/center/mondai_k/mk_202.html

1分で答えが出てしまう?
ここで、5枚のカードの中に5があって得点できる場合をあたりと呼ぶことにする。当たった場合、5枚のうち5はどの位置にあるんだろうか?
5ってのは1から9のちょうど真ん中にあるから、何回もやって平均すれば平均の位置は真ん中つまり3番目になり、当たった場合の平均得点は3になるだろうと、直感的にわかるし、正しそうである。
では当たる確率は?1枚当たりの入った9枚から5枚引くんだから5/9でよさそうである。
すると答えの期待値は3*5/9=5/3と求まる。これであっているのである。

これでいいの?
実に簡単で、普通な発想に基づく求め方。多分このように考えて解いた人、あるいは後で気づいた人も何人もいるだろう。特殊なテクニックだとは思わない。
ただ、問題が順列組み合わせを使って解くような誘導があるために、発想がそっちに固定されてしまいがちになるんだと思う。この誘導にも配点があるためにそれをたどらないといけないのだが、最後の期待値だけを求めるならばむしろ余計な計算をさせる邪魔なものだなと思わざるを得ない。

なぜ5/9なのか
マークシートだから、直感的に正しそうで正解すればokなのだが、ちょっと論理的な説明を考えてみる。
「9枚のカードから5枚のカードを同時に取り出す」と問題にあるが、裏になっている9枚のカードから5枚を選ぶとしても同じである。9枚から5枚を選んで(まだめくらずに)5枚と4枚に分ける。当たりカードはどこにあるだろうか。こう考えると、当たる確率が5/9になることは納得できるだろう。(同様に麻雀で13枚の配牌の中に赤5ピンがある確率は13/134(約9.6%)である。)

当たった場合の期待値はなぜ3なのか
このサイトが参考になった。
受験数学かずスクール センター試験2012年度数学1Aの第4問、確率の問題の解説
http://kazuschool.blog94.fc2.com/blog-entry-456.html
当たった場合、カード1枚について平均+1/2点というのである。カードが4以下なら、それによって位置が1つ後ろに行って1点増加する。その確率は4/8なので1枚当たり1/2点と。
こう考えるとわかりやすいだろうか。当たった場合には、まず5を取り出して、列(最初は空)の左端に置く。このとき1点まず入る。残りのカードはいったん裏にして、1枚づつめくって適切な位置においていくという状況で考えてみる。1枚めくって、5より小さければ置いてある5より左に置かれるので、5の位置がひとつ右にずれて、1点追加される。5より大きければ5より右に置かれるので点数は増えない。1点追加される確率は4/8で、1枚当たり+1/2点の点数増加効果(期待値)がある。これを4回繰り返すから4*1/2点と最初の1点を合わせて3点というわけである。
ここで注意したいのは、最初に1などをめくって得点が増えたなら次のカードの期待値が下がるというようなことはないということである。あくまでも思考実験として1枚ずつ置いているのであって、実際は同時に5枚めくって並べる。それぞれのカードが5より大きいかどうかは9枚から5枚を引いた瞬間に確定している(と書かなければならないところを見るとこの説明はわかりにくいかな、、)。

一般化まで簡単にできそう
こんなに簡単に期待値が求まるなら、当たりカードや引く枚数を変数にした場合もすぐ求まりそうである。